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幸福・フローアップのビジネス奇跡的効果

「Well Being経営」

■「Well Being経営」

「Well Being経営」という企業経営の形態があります。

Well Beingとは持続的幸福。

つまり会社が、その従業員全体に対し、仕事を通じて持続的な幸福になるようにマネジメントする経営のことです。

企業が従業員に「幸福」を提供すると聞いて、「ハテ?どういうことか?」と疑問に思う方は多いでしょう。

そもそも「幸福とは何か」というテーマは、ひとそれぞれで、明確になってません。

また、企業が幸福という曖昧な概念を、どうして従業員に提供しなければいけないのかという、疑問も浮かぶでしょう。

大部分の経営者の方は「仕事を通じた幸福?それは、仕事で実績を上げて昇進し、
給料をあげるという本人の努力にかかっているだろう!」と思われるでしょう。

会社は従業員に、膨大なコストとして、給料と福利厚生を提供しているのだから、
そのなかで、自力で幸福になってくれればいい、と思うのはある意味、自然です。

しかし、その投入した給料と福利厚生のコストの費用代効果は出ているのでしょうか?

生産性は満足に上がっているでしょうか?

例えば、サラリーマンとして昇進し、会社から高い給料をもらっている、
課長、部長クラスでも、うつ病に悩んでいる方がたくさんいるのです。
そうなってしまうと、高い生産性など、望むべくもありません。

離職者はもちろん、自殺者さえ出ています。

そうなると、会社は、何のために高いコストを負担してきたのか?

これは、昇進や高い給料が必ずしも、幸せにつながらない、そして生産性アップにつながらないということを示しています。

「そうであっても、幸せかどうか感じるのは本人の心がけ次第。
企業は社員が幸福かどうかなど、面倒を見ている余裕などないから、
例え不幸であっても、歯をくいしばって頑張り、根性を出して生産性をアップさせて欲しい」とお考えになる方は多いかと思います。

会社員時代

■会社員時代

私もかつてそうでした。

私のサラリーマン時代のある職場は、目標数字の達成が全て。
できない人間は管理職の前か会議で、大声で罵倒されるのは普通の風景でした。

ある課長は、仕事中に自分の席で倒れ、運送先の病院で亡くなりました。
それまでの労働時間から判断して過労死は明らかでした。
だって、私の席の隣であり、毎晩毎晩、互いに夜12時まで働いていましたから。
しかし、翌日の朝礼で、そのことは一切触れられない、無視されるというブラックな社風でした。

私も管理職として、部下を怒鳴りつけてしまった苦い記憶があります。

その職場では、まず社員の幸福追求からなどと言ったら、即、左遷されるのは間違いなかったでしょう。
うまく話せたとしても、そのためには、まず、目先の目標数字を、継続して達成してこそです。

現状、日本企業の多くは、まず目標利益額を稼ぎ続け、盤石の財務体質ができたならば、
その時にやっと社員の幸福を考慮してあげてもいいか、という姿勢かもしれません。

それでは、どうして一部の企業が「Well Being経営」を取り入れ出したのか?

それらの企業は、従業員の幸福感は先送りし、ひたすらムチを打って働かせ、
高収益の体質がやっとできたので、初めて経営に「Well Being」(持続的幸福)を取り入れたのでしょうか?

実はそうではありません。

過酷な労働環境で高収益をあげたきた企業は、その経営の仕方でないと高収益を維持できない
社内システムになっているため、自力で転換していくことは困難です。

すでに高収益を上げている以上、経営モデルを転換するのはリスクと考えます。

「Well Being経営」をしている企業は、ほとんどの場合、創業者が、
創業時からそのような経営がベストと判断して実行してきたか、
とにかく社内のモチベーションと生産性が低く、経営者が悩み抜いて調べた結果
「Well Being経営」がベストと判断して取り入れた例が多いのです。

「Well Being経営」は、社員の幸福と企業の繁栄を同時に目指す経営です。

そんなことが可能なのか?と思う経営者の方は多いでしょう。

幸福な社員の仕事能力

■幸福な社員の仕事能力

実は、幸福な社員は、創造性が高く、生産性が高く、売り上げも高いという素晴らしいデータがあります。

本当か?と思いますか?

幸福な社員は、仕事に手を抜いて、余暇を楽しんで、勝手に幸福感を味わっていると思ってますか?

それでは、ある社員がいるとします。

その同じ人が幸福な状態である時と、不幸な状態である時では、生産性はどちらが高いでしょう?

即、結論ですが、幸福な状態の方が、不幸な状態の時より131%高いそうです。

生産性3割増しということです。企業経営に取って、これは凄いことです。

ちなみに売り上げは、137%増大だそうです。

経営指標でわかりやすい、売り上げ数値です。この増大も凄くないですか?

さらに、創造性ですが、これは幸福な状態の方が、不幸な状態の時より300%高いそうです。


創造性が3倍高くなる。これは凄過ぎるのではないでしょうか。

イノベーションは、社員に豊かな創造性がなければ絶対に生まれません。

なんと、社への忠実度は1000%というデータもあります。

もうこれは「凄い」という単語を使いすぎたので、表現不能です。

これは、アメリカのイリノイ大学心理学部のエド・ディーナー名誉教授の論文にあります。ポジティブ心理学の大家です。

他に、幸福な社員は、リーダーシップが高い、利他的、欠勤率が低い、離職率が低い、
健康、メンタルの問題がないなど、社員として素晴らし過ぎるデータが揃ってます。

どうですか?

そういった幸福な社員は、平均的、一般的に企業内の2割いるそうです。

もっと多い企業、少ない企業もあるでしょう。

その2割の幸福社員を3割、4割、5割と増やしていくことが、「Well Being経営」の目的のひとつです。

ところで、ここまでは「Well Being経営」を扱う書籍などによく出てくる内容です。

フロー状態の奇跡

■フロー状態の奇跡

実は、これまで、凄い凄いと書き続けてきましたが、もっと凄いデータあるのです。

それは「フロー状態」になった時の仕事能力です。

「フロー」がわからない方のために、ここで「フロー」の説明を挟みます。

実は「Well Being経営」は、各社目的は同じであっても、手法、プログラム内容、皆違います。
統一したプログラムがあるわけではありません。

私の推奨する「Well Being経営」は、従業員が「フロー」状態で業務できるようにマネジメントすることです。

「フロー」とはアメリカの心理学者、チクセントミハイが「発見」した、
物事に忘我で没入する状態をさし、チャレンジとスキルが絶妙に釣り合う状況で発揮されます。

その「フロー」の間は、特別に安堵な幸福感は感じていず、ひたすら無心、夢中の状態ですが、充実感と心地良さは感じてます。

終わってから、あの時間は快感だった、幸福だったと思える不思議な時間帯です。

スポーツの場ではゾーン、仕事ではエンゲージメントとも言いますが、私は仕事の時に起こるフローは「ビジネスフロー」と呼んでます。

その「ビジネスフロー」のとき、単なる幸福感とはまた、別次元の能力アップが発揮されることがわかってます。

アメリカ、国防高等研究計画局とアドバン スド・プレイン・モニタリング社の神経科学者は、
被験者がフローを生み出したとき、最高490パーセントも早く、複雑な 問題を解決したり新たな技術を習得するのを確認しました。

コンサルティング会社マッキンゼーが、多くの企業について10年にわたり世界規模の調査を行った際、
トップ・エグゼクティブたちは、フロー状態になると生産性が、500パーセント上がると報告しました。

また、シドニー大学で行われた実験で、フロー状態になった被験者グループは、
創造的な問題解決能力を測るためのナインドット・パズルを受けると、通常の8倍にもなる結果を出しました。

つまり、これらの「フロー報告」では、フロー状態だと、

問題解決力500%アップ
生産性500%アップ
創造力800%アップ

することが確認されたのです。

これらの報告は、被験者が幸福な人だったか、不幸な人だったかはわかりません。

しかし、幸福であっても不幸であってもフローになれば、このような能力増大が起こると思われます。
(ちなみに不幸な人がフロー状態になる確率は低い)

不幸な時に比べて幸福になれば

生産性131%アップ
創造力300%アップでした。

フローになれば

生産性500%アップ
創造力800%アップなので、、

不幸な人が幸福になり、さらに「フロー」状態になると、

生産性655%アップ      →  生産性6.5倍
創造力2400%アップ    →  創造力24倍

ということになります!

もちろんこの数値は、実験結果を組み合わせた推論でしかありません。

しかし、この数分の1の結果が出るだけでも素晴らしいことではないでしょうか。

企業内で「ビジネスフロー」を起こすメソッドは、数多くあります。

ぜひ、日本中に広めたいです!

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Well Being経営と従業員幸福度

従業員満足度(ES)と従業員幸福度(EH)

■従業員満足度(ES)と従業員幸福度(EH)

従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)という指数があります。

給与や労働時間など、待遇、人間関係、設備など、労働環境などに対する、満足度を数値で表すものです。

従業員のモチベーションアップや、定着率の向上に繋がると言われてきました。

その向上に向けた取り組みは日本国内において積極的に行われてきました。

これは、その先から行われていた、顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)の追求が、
各企業、当然のようになり、それだけでは競争に打ち勝てないとされ、始められたものです。

ESが高いと、CS向上に貢献し、業績の向上に結びつくと言われてきました。

しかし、ESを向上させても、業績に寄与するのはほんの一時的なもので、すぐに効果が落ちてしまう企業が増えてきました。

そこで新たに提示された指数があります。

従業員幸福度 (EH:Employee Happiness)です。

従業員の幸福度を、数値化する試みです。

アメリカでは、CHO(Chief Happiness Officer)という従業員の幸福度を高める役職を設置し、
企業の業績を上げようという会社が増大しており、CHOコンサルティング導入後、生産性向上、
社員の離職率ダウン、定着率がアップした会社が続出しています。
このわずか3年以内に従業員の健康と幸福投資増額予定と答えた企業は(3881%)と2倍以上になりました。

現在、日本ではSDGsと並び、「働き方改革」が企業経営のメインテーマの一つになってます。

従業員の労働時間短縮が大きな課題になり、生産性を維持しながらそれをどう実現するのか、悩む企業は多いことでしょう。

そんな中、従業員の幸福度をあげましょう、と言われたら経営者や人事担当者はどう思うでしょうか?

一般的には、反発が予想されます。

しかしそれは従業員幸福度(EH)アップが、生産性向上に、密接に結びつく理解が広がってないことによります。

実は、生産性を高めるには、従業員幸福度(EH)をあげなければいけないことがわかってきたのです。

従業員幸福度を上げる経営、それは「Well Being経営」と言われます。

日本国内ではまだまだ浸透しているとはいえませんが、ここ数年、非常に関心が高まっているのは確かです。(図)

それでは、なぜ、従業員満足度の追求では不十分であり、なぜ、従業員幸福度追求が必要なのかを解説していきます。

従業員満足度(ES)とは

■従業員満足度(ES)とは

これまで取り組まれてきた、従業員満足度追求とは、どれだけ働く環境の整備ができているかに注目し、
従業員の満足度を向上させようというものです。

その向上のために、何が行われてきたのか観てみましょう。

満足度向上のために必要なことは、まず先にマイナスを減らすことからです。

それは、健康管理からです。

診療所を作り、健康診断を定期的に行い、特定保険指導など行います。

メンタルヘルス維持のために、産業心理カウンセラーを導入して、
ストレスチェックを行い、調子が悪ければ産業医と面談したりします。

これは、心身の健康を維持することに企業が取り組んできたことであり、
戦前の職場の劣悪な環境と比較したら、素晴らしい進歩ではあります。

さらに汚い職場をあちこち清潔にしたり、電話機、パソコンなどOA機器を増やし、
社員食堂のメニューを増やし、味を向上させたりして、企業は、従業員の満足向上のために頑張ってきました。

大企業は、関連会社をたくさん作り、社長や部長、課長を激増させ、
なるべく多くの社員に肩書きを与えることで、満足感の維持に努めてきました。

当然、給料やボーナスを上げるのも、その施策のひとつです。

労働条件、給与や職場の設備など、わかりやすく、数値や文字で目に見える
「客観的指標」を基にして数値化を行うので、その労働環境が、理想とされる状況の数字と、どれだけ近いかわかります。

しかし、現実には、その環境に対して従業員がどのように考えているのかという視点がなく、
実際の従業員の満足度が測れていないのではないかと、疑問視されるようになってきました。

そこで登場したのが従業員幸福度(EH)という新たな指標です。

従業員幸福度(EH)とは

■従業員幸福度(EH)とは

従業員満足度は、労働環境の充実度を表したものですが、従業員幸福度は、従業員自身の心の幸福度を表してます。

仕事環境は整っているのに、従業員の生産性が向上しないどころか落ちてしまうことがあります。

例えば、精神的なストレスが高い労働環境で、仕事内容がつらいと感じ、生産性が落ちていても、
給与が高いと従業員満足度は高いと、評価されてしまう場合があります。

そこに従業員満足度の限界があります。

実は、従業員満足度とは、ほとんどが外部的な職場の環境と、労働条件の整備度であり、
真の意味での従業員「満足度」を保証したものではなかったのです、

実際にその環境において、従業員が心の中でどのように感じているのか、
「従業員満足度」政策だけでは測れないことがわかってきました。

満足とは、心が少しでも満たされることなので、会社設備や給料、役職だけで心が充実できるとは限りません。

仕事に、楽しさや、やりがいを感じることが出来ているのか?

単純なことですが、意外に企業は従業員のその点を、あまり考慮してません。

会社側としては「給料を払っているのだから、嫌なことでも真剣に取組むのは当たり前」
という姿勢であり、従業員も嫌々ながらも納得して仕方なく従う。
しかしそれでは、労働は行われても生産性は上がらないのです。

幸福度が増えれば、仕事に対してのモチベーションが上がります。
モチベーションが上がることで、積極的に工夫し業務改善を行い、パフォーマンスの向上につながります。

楽しさや、やりがいがあれば、欠勤や離職が減ります。
幸福度が上がれば、従業員は積極的な気持ちで仕事に取り組むことができ、さらに幸福度が上がっていきます。

アメリカの研究結果で、幸福度が高い従業員の創造性は、
そうでない従業員に比べて3倍も高く、生産性も31%高いという結果が出ています。

笑顔で楽しそうに仕事をしている人が増えてくれば、他の人にも広がります。

幸福感は伝染することがわかってます。

2種類の幸福度

■2種類の幸福度

幸福学の定義で、2種類の幸福感があるとされてます。

単純にいえば、長く続く幸福感と、長く続かない幸福感です。

それは、会社においては「地位財」「非地位財」と分類される、会社で得られる「財」への幸福感です。

「地位財」とは、役職、給料です。

従業員はこれが高くなれば、もちろん喜びを感じるのですが、自分より高い人がすぐ気になり、
その状況に慣れてしまうと、すぐに「上」を求めるので、その喜びは長続きしない傾向にあります。

「非地位財」とは、心の満足、幸福感です。

ここでは、家庭の幸福というより、職場の人間関係や仕事の内容で得られる幸福感です。

高い役職や給料とは関係がありません。

「地位財」は、他人との比較で得られる幸福感。

「非地位財」他人と比べなくても喜びを感じられるものです。

「地位財」は長続きしづらく、「非地位財」は長続きする幸せと言われます。

友人が自分と同じように職場での人間関係がよくても、それと比較して自分の幸福度が下がることはありません。

つまり、従業員満足度は、「地位財」を従業員に与えるものだったのです。

そして、従業員幸福度は、「非地位財」を従業員に与えるものです。

従業員満足度は、従業員のモチベーションアップの維持には不足であり、
従業員幸福度追求こそ、モチベーションアップの維持に不可欠であることがわかります。

あるGoogleの例をあげましょう。

業績トップの従業員たちに、ドルで数百万レベルの額のボーナスを支給していました。
すると、従業員にお金をもっと稼がないと思わせてしまい、報酬目当てで働くようになりました。
報酬目当てで働くのは、普通はおかしなことではありません。

しかし、もともとGoogleは、社員に幸福になってもらうために高い報酬を出したのに、
従業員の幸福度はなかなか上がらないのに注目しました。

方針を変更し、高い成果を挙げた管理職に、報酬として、魅力的な「人生の経験」」を与えることにしました。

優秀な社員仲間と伴に過ごす、豪華なバカンス旅行です。
その仲間との親密な時間は、素晴らしい幸福な時間となりました。

Googleの副社長、CHOのラズロ・ポックは「社員仲間と共に過ごす経験は、
その費用の10倍の金額をボーナスとして支給した場合よりも、貴重で素晴らしい価値でした」と述べました。

これは、従業員にお金ではなく、幸福経験を「支給」する方が遥かに素晴らしいということです。

地位財」の支給ではなく「非地位財」の支給です。

そして、従業員幸福度アップは従業員満足度アップより、遥かにコスト効率がいいともいえます。

モチベーションアップのためにも、そしてコスト面でも、従業員幸福度アップを進める方がいいことずくめです。
しかし、実は、従業員満足度アップでも十分なタイプの従業員もいるのです。

「追求者」と「満足者」

■「追求者」と「満足者」

幸福学で、人を「追求者」と「満足者」に分ける考え方があります。

「満足者」という表現は、ピッツハーグのカーネーメロン大学の教授などをしていた
ハーバード• A •サイモンという経済学兼社会学者により、1950年代に考案されたものです。

「満足する」というのは、目先の納得のいく選択を、完璧でなくてもするということです。
とりあえず満足できるズボンを買うか、それとも数千本あるズボンの中から完璧なジーンズを探すのに時間を費やすか?

「満足者」が今の状況に満足する傾向が高いのに対し、反面「追求者」は自分の状況を常により良くしようと努力します。

コホート研究によると、「追求者」が賃金やキャリア、物質的なものについてなど、
生きる上で長期的な事柄について常に状況をよくしようとするのに対して、「満足者」は完璧でない事柄にも満足しようとしがちです。

つまり、「追求者」か一時的に物質的なもので満足しても、長期的な進歩を求めるので、精神的な充実も求め始めます。
しかし、「満足者」は、目先の物質に妥協して満足します。
つまり、「満足者」にとっては、従業員満足度アップの施策でもいいということになります。
しかし、企業にとって「満足者」タイプばかりの人材が揃うことが本当にいことでしょうか?

いずれにしろ、これからの企業経営は、CS追求、ES追求、EH追求の流れ、
つまり「Well being経営」になっていくのは必然であり、取り入れないと生き残れないと言ってもいいでしょう。

「Well being経営」を取り入れる企業が増えてくれば、企業の業績アップ、
日本全体の生産性アップへの貢献はもちろん、毎年さがり続けている
「世界幸福度ランキング」の日本の順位を、逆に向上させることができるのではないでしょうか?

 

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Well beingとは何でしょう?

「Happiness」と「Well being」

Happiness」と「Well being

Well being(ウェルビーイング)という単語を、ご存知ですか? 

早くいえば「幸福感」を表す言葉の一種です。

近年、幸福感に興味のある方、また企業経営に興味のある方に広がってきました。

しかし、日本国内では、この単語を多くの人が聞いた事はあっても、その意味はまだまだ広まっていない感じです。

しかし、粛々と、その概念を広めようという動きはあります。

与党、自民党内において、ウェルビーイングに満ちた世界を、政策に実現するために
「日本ウェルビーイング計画推進プロジェクト」の活動が行われています。

日本国憲法第13条に、幸福追求権が述べられています。

幸福を追求するのは、国民の権利なのですが、政府がそれを支援するのは当然ともいえます。

実は、日本語の「幸福」は、英語ではおおよそ「Happiness」と「Well being」の二つの意味に分かれます。

「Happiness」

Happiness

Happiness」は日常、楽しい時に、気楽に何気に「ハッピー!」と笑いながらつぶやくような、気軽な感覚です。

例えば、好みの異性とデートした喜び、素晴らしい風景に出会った感動、試合やゲームに勝って嬉しい、スポーツ後の爽快感、、、。

これらは、とても素晴らしいものです。

さらに、マッサージされて気持ちがいい、美味しいものを食べた、お酒に酔って気分がいいなど、刹那的なものが含まれます。

実は、英語「Happiness」の感覚は、後者の要素が大きいのです。

つまり、どちらかといえば、瞬間的な快感です。

なので、ずっと探していた公衆トイレを、限界ギリギリで見つけることができ、
無事、放出し終えた後の、快感、充実感、安堵、安心感も含まれます。(笑)

それでは、「Happiness」と「Well being」とは、どう違うのか?
(以降、ハピネス、ウェルビーイングと表記します)

「Well being」

Well being

ウェルビーイングは、日本語では単語化されていず、一般的に「持続的幸福感」と訳されます。

ウェルとは、「心地よい前向きなマインド」

ビーイングは、「あり方」と行った感覚ですが、

ウェルビーイングになると「持続的」になるのです。

そうすると、ハピネスは「短期的幸福感」ということになります。

一般的に「虚しい」といわれる、刹那的な快感も含まれます。

「持続的幸福感」というと、時間軸だけで捉えてしまいそうですが、将来の不安がない安心な幸福感、
人生トータルの満足感も含むので、健康面の安心、豊かな人間関係、一定の経済的安定を満たすことが必要になります。

毎日、お酒を飲んで、その時は「ハッピー!」。

でも、内臓の病気でいつも調子が悪いとか、友達がいなく、家族とは険悪とか、
貯金ゼロ、失業しているとかでは、とても「持続的幸福」ではないわけです。

実はアメリカでは、ハピネスは刹那的なものなので、それを求めるというのは低レベルであり、
ウェルビーイングを目指そうというのが一般的です。

なので、幸福になりたい日本人が、もしアメリカ人に
「私の人生の目標はハピネスです」と言ってしまうと、そのアメリカ人からは
「この人の人生観はレベルが低い」と、呆れられかねないのです。

ウェルビーイング、「持続的幸福」は周囲の人を長期的に巻き込み、高い社会貢献を実現します。

先に書きましたとおり、日本語の「幸福」は、ハピネスとウェルビーイングを両方含んだものです。

これから普段「幸福」を、何気なく聞いたり、使ったりするときに、
「はて、これはどちらの意味なのかな?」と考えてみて、極力、自分の周囲の人たちにも、
ウェルビーイングの方向に促していくことが、本当に大事です。

ポジティブ心理学におけるウェルビーイング

ポジティブ心理学におけるウェルビーイング

これらの研究は日本では「幸福学」、アメリカでは「ポジティブ心理学」「幸福理論」などで、取り扱われてます。

どちらも「刹那的な快感」の研究というより、ウェルビーイングの研究を深めてます。

ここから、やや学問的な考察になりますが、もし真に、ウェルビーイング「持続的幸福」を求めたいと思うなば、ぜひ読んでください。

もちろん日米だけでなく、世界幸福度ランキングで上位国を頻出する北欧各国でも盛んに行われています。

世界幸福度ランキングで1位になったことがある、デンマークの幸福研究所の、マイクヴァイキング氏は、
ウェルビーイングを以下のように定義づけてます。

「個々、人に得をした感覚、前向きになる勇気、行動力と人生の喜びを与えてくれるような幸福を表す言葉」

ここでは「持続的」な要素は出てきませんが、刹那的な喜びだけでなく、
「人生の喜び」を与えてくれるのだから、長期的な幸福感を表しています。

ウェルビーイングの5つの要素

ウェルビーイングの5つの要素

アメリカのペンシルバニア大学教授、マーティン・セリグマン氏は「ポジティブ心理学」の創始者のひとりです。
「ポジティブ心理学」は従来の「幸福理論」を発展的に深めた研究を行なってます。

セリグマン教授は、その著書「ポジティブ心理学の挑戦」の中で、ウェルビーイング理論をは5つの要素に分けてます。

「ポジティブ感情」
「エンゲージメント」
「意味・意義」
「関係性」
「達成」

ポジテイブ感情

ポジテイブ感情

ここでの「ポジティブ」は、一般的な日本語訳の「積極性」という意味でなく
「心地よい人生感覚・満足感」で使われます。現在の主観的な感覚です。

エンゲージメント

エンゲージメント

自分にとって時間が止まり、自我も思考も感情もなくなり、ひたすら仕事に没入する感覚。

これは「フロー」と同じ感覚です。
また「ゾーン」も同じ感覚ですが、「ゾーン」は主にスポーツ時に使われ、
「エンゲージメント」は仕事中、「フロー」はすべてにわたって使われます。

後から振り返ると不思議な「快感」であり、「あの時は幸福な時間だったかもしれないなあ」
と思うので、回想した過去の感覚です。これも主観的感覚です。

以上、ポジテイブ感情、エンゲージメントの二つは、幸福感の基本です。

しかし、統計的、学問的に分析するならば、どちらも全く主観的な感覚であり、そこには、客観的な尺度がありません。

なので、過去、幾多の哲学者が「幸福とはこういうものだと思う」という論評は残してはいますが、
幸福という概念を、学者が学問として研究するということは、
20世紀までなかったのでした。

主観的感覚を統計化しようという試みで、幸福学は始まったのですが、
周囲からの客観的な指標を幸福研究に入れようという試みが、以下の三つです。

意味.意義

意味.意義

自分の生き方、生き様の評価です。

自分の感覚だけではなく、自分よりも大いなる何かに、自分が実際にどれほど属し、仕えているかが問題となります。

また、自分からの主体的な価値評価のみではなく、他者からの評価が含まれます。

自分では「くだらない人生だった」と思っても、周囲からは客観的に「素晴らしい人生でしたね」
と評価されることがあるということです。

例として、深刻な憂うつ質だったリンカーン大統領の例が挙げられてます。

「リンカーンは絶望のどん底で、自分の人生を無意味だと判断したかもしれない。
だが傍から見れば、彼の人生は意義深いものであったと判断する。」

ポジティブな関係性

ポジティブな関係性

この解説は少なくシンプルです。

「今日では、他者とのつながりや関係性が、人生に意味や目的を与える ものであることは誰もが認めるところだからだ。」

達成

達成

「ポジティブ感情」「エンゲージメント」「意味・意義」「関係性」は、
結果的に具体的に得るものがなくても、そのものの良さのために追求されます。

しかし、「達成」は文字通り、何かの達成を目指す。

自分が成し遂げたことに対する、自分自身への誇りだけではなく、
自分が実際に目標を達成したかどうかに加え、それらの目標が、
自分が気にかける人々や世界に対してどれほどインパクトを与えたかが問題となります。

つまり他者からの評価も必要です。

その「達成」とは一時的な形での「達成」と、その拡張した形である「達成の人生」、
つまり究極の人生目標を掲げることの、二つがあります。

何かの達成を目指す人生を送っている人は、多くの場合に自分がやっていることに没頭し、
夢中になってフローの時間を過ごし、勝利を得ると、束の間でもポジティブな感情を得ます。

その過程で、達成度が少ないと、主観的「不幸感」に見舞われることもあります。

しかし、それは「意味・意義」と同じで、他者からみれば素晴らしい人生を送っているのかもしれません。

以上、おさらいですが、「意味・意義」、「ポジティブな関係性」、および「達成」は、
客観的かつ主観的な
構成要素を持つので、自分がどう感じるかだけではなく、
自分に関係のある人々が、自分についてどう感じているかが問題となります。

以上が、セリグマン教授の、ウェルビーイング理論です。
シンプルに私たちが学べる考え方をまとめます。

「ウェルビーイング感覚は、自分個人の主観的判断で喜んだり、悲しんだりするのではなく、
他者からの判断、周囲からの評価も考慮した、総合的なものなのだ」ということでしょう。

ウェルビーイングは「気分」だけで決めない

ウェルビーイングは「気分」だけで決めない

従来の幸福理論は、主観的な幸福をどう測定するかの研究だったのが、ポジティブ心理学は
それに「客観測定」を加えたということは」前に述べたとおりです。

また注意しなければならないのは、周囲の目を意識しすぎると、そちらが行動基準、価値基準になってしまい、
振り回されて、不幸になってしまうことです。

ご用心です。

また、セリグマン教授は、多くの「幸福度・ウェルビーイング調査」への注意として、以下をあげてます。

「人々が報告する人生の満足度とは、質問されたまさにその瞬間に
「自分がどれくらいよい気分でいるか」に左右される、ということだった。

多くの人に平均して見られることだが、人生の満足度をどう報告するかは、
その
70パーセント以上が、そのときどきの気分で決まるのであり、
頭で「判断」する割合は30パーセントにも満たない。

実に気分こそが、昔の人が俗悪と考えた幸せの形だった。、、

幸せを気分で考える見方は

「ポジティブ感情度の低い」世界の50パーセントの人々をものすごく不幸」 だと決めつけることになる。
気分の沈んだ世界の半分の人々は、たとえ陽気でなくても、
快活な人々よりもっと充実した、
有意義な人生を送っているかもしれないのだ
」。

まさに、ウェルビーイングは、その時の瞬間的な気分で判断してはいけないかという指摘です。

ウェルビーイングを補強する「強み」

ウェルビーイングを補強する「強み」

5つの要素は、ウェルビーイング向上に不可欠な基本でしたが、これらを補強する要素が、他に多くあげられてます。

・自尊心
・楽観主義
・レジリエンス
活力(バイタリティー)
・自己決定
・親切心
・社会的知能
・ユーモア
・勇気
・正直さ
  などです。

そして、さらに最も大事なのは「強み」だと述べてます。

「人は、自分の最高の強みが、目の前に現れる最高の挑戦課題とかみ合うときにフロー状態となる。
強みがエンゲージメントにとどまらず五つの要素すべてを支えている」。

何が自分の強みなのか?

自分の強みを見つけようとは、よく言われることですが、大抵の場合には、競争力のあるビジネス構築のためです。

もちろんそれは正しいのですが、実はその奥に、
「最高のウェルビーイング達成のため」という意義があったのです!

「ポジティブ心理学の挑戦」では、「健康」はあげられてませんが、
世界的にウェルビーイングに健康は大事な要素だと認められてます。

ウェルビーイングの「新しい繁栄」

ウェルビーイングの「新しい繁栄」

また、ウェルビーイングの最終目的として
「富とウェルビーイングとを組み合わせるもので、私はこれを「新しい繁栄」と呼ぶ」 とセリグマン教授は述べてます。

従来、GDPとウェルビーィング との間には大きな相違がありました。

個人ならば、豊富な富は人生の満足度には直結しますが、ウェルビーィングには直結しません。
国民全体ならば、国のGDPが増えても、幸福度、ウェルビーィング向上に必ずしも直結しません。
個人的な富の増大をウェルビーィング向上に結びつける理論は、比較的容易かと思いますが、
国家のGDP増大を、そのまま国民全体のウェルビーィング向上に結びつけるのは、容易ではないでしょう。

具体的な施策はこれからですが、「新しい繁栄」は、目指すべき「達成」であることは、間違いないことです。

セリグマン教授の理論は、学者として精緻に体系づけられていて、ハードルが高いと思う方もいるでしょう。

しかし、とても素朴なウェルビーイングへのエクササイズを提示してます。

「他人に親切にすることが、ウェルビーイング度を一時的に向上させる唯一最も信頼できる方法だ」。

私の「ウェルビーイング」

私の「ウェルビーイング」

最後に、私個人のウェルビーイングへの心構えを述べてみます。

基本は、セリグマン教授のいうよう、人に親切にしてその悩みを解決し、苦しみをやわらげる。
    ↓
自分も相手も幸福になる。
    ↓
自分の強みを見つけ、その強みで相手の強みを発見し、多くの才能を育て、長続きする関係性を育てる。
    ↓
それが世間に意義深い貢献をすると信じる。
    ↓
それが持続的な幸福となる。

というものです。

「ウェルビーイングブログ」いかがだったでしょうか?
少しでも、人生のウェルビーイングに役立てば幸いです。

 

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