目次
管理職に求められる行動12のポイント
▪️管理職に求められる行動12のポイント
リーダーの仕事、それは、誰にどのように何をさせるかを判断することです。
どのような業務を与え(業務付与)、その上で部下がやる気をもって
仕事を継続させていけるか、これをどう見極めるかが重要です。
では、職場のリーダーは具体的にどのようなことを意識すべきなのでしようか。
ひと言で言えば、業績や成果だけでなく「職場のメンバーの心のあり方」
にも関心を向けるということです。
多くの管理職、リーダーは典型的な「業績•成果志向」 であり、
一方でメンバー個々人の気持ちへの配慮が不足しがちです。
そんなリーダーの下、組織は一時的 に業績を伸ばすことに成功します。
ただ、この傾向が強すぎると、短期的には成功しても、
長期的•持続的な成功につながることはほとんどありません。
こういった上司の下で中長期的に起こりがちな職場の課題として、面従腹背型部下の増加、
燃え尽き型部下の増加が起こり、どちらもメンタル不調予備軍です。
もう、なっているかもしれません。
部下の気持ちを配慮し、業務付与した後は、部下の仕事ぶりについてのサインを観察します。
いきなり業務付与するだけでは、何のためにどうしてこれをやらなければいけないのか わからず、
モチべーションが落ちてきますので、目標についても上司と部下で話し合い、 設定していきます。
その上で、部下の行動を見る必要があるのです。
部下のメンタルヘル スのサィンを把握することは、日頃から部下の性格や特性を把握しながら
コミユニケーションを行い、適切なマネジメントがなされていてはじめて可能となります。
前回ブログ「メンタルヘルスを守るラインケア入門」で、
部下のメンタル不調を「観察」するための、多くのサイン例をあげました。
https://japan-business-flow.com/well-being-blog18/
従業員をメンタル不調から守る要は、職場の「ラインケア」です。
その「サイン観察」は、メンタルヘルス維持のために管理職がやらなければならない行動の最初にあたります。
管理職に求められる行動12のポイント
見る
1.サインを見る
2. 能力を見る
3. 人間関係を見る
話す
4.「環境」について声をかける
5.「やり方」について声をかける
6.「プラィべート」について声をかける
聴く
7.長時間労働の時に聴く
8.異動後に聴く
9.人事考課後に聴く
対処する
10.安全配慮をする
11.健康相談を勧める
12.本人の拒否や緊急性のある場合に対応する
サインに気づいたら
■サインに気づいたら
サインに気づいた場合は、まず必要に応じた声掛けをしましょう。
声をかけても「いえ、何でもないです」などと詳細に話をし てもらえない可能性もありますが、
その場合は無理に聞き出そうとしてはダメです。
ただ「私は○○さんのことを気にかけています」
「話したいと思ったらいつでも話しかけてほしい」という言葉と気持ち伝えてください。
また、一時的なものなのか、慢性的なものなのかによってもその後の対 応が変わってきますので、
声をかけないまでも、状況は注視したうえで、 変化がみられないようであれば
1週間後、2週間後などに再度声掛けをすることが大切です。
さらに、声をかけた際の基本的な姿勢として「聴くスキル」もぜひ意識 していただきたいです。
カウンセリングの勉強をされた方など「傾聴」という言葉を聞いたこと がある方もいらっしゃるかもしれません。
コミュニケーションにおいて、 言葉を介して伝わるものはほんの一部で、
身振り手振り、顔の表情、話す速度、ジェスチャーなどの非言語コミユニケーシヨンで
伝わる情報のほうがはるかに多いといわれています。
これらの情報に注目しつつ、相手に対し好意的な関心を持って聴く姿勢 を心掛けていきたいところです。
ポイントは「共感」です。
そして、「いつもと違う」という状態が2週間継続するようであれば、
産業保健スタッフ(産業医や衛生管理者、保健師、カウンセラー、人事労務担当者)に相談します。
部下の把握
■部下の把握
あなたの部下は、次の3つの項目に該当しますか?
① 貢献:上司が気づかないようなところに気を配り、
全体が成果を上げられるよ うに貢献している
□ハイ □イイエ
② 協調:職場の人間関係を良くするように、上司が気づかないようなところで
協 調している
□ハイ □イイエ
③ 努力:職場で成果を達成しようとして、陰日向なく、地道にコツコツと
仕事に 努力している
□ハイ □イイエ
それぞれの項目で、思い当たることがあつたら認めて声かけしましょう。
①があったら「貢献してくれていますね」
②があったら「職場がうまく協調できるよ うにしてくれていますね」
③があったら「成果の達成のために努力していますね」
と伝えてください。
職場で自分の存在感を感じることが、承認欲求を満たし、メンタルへルスを向上させます。
上司のこのような言葉で、うつ状態が大きく改善した人は多いです。
多くの職場では、メンタルヘルスの症状チェックが目的となり先行しすぎると、
「見つかったら職場から排除される」といった、
「犯人捜し」の職場になったような心配と怖れを与えてしまうこともあります。
その結果、モチべーションが低下し、本人はメンタル不調を隠し、
自己防衛的になつてしまうことがあるので注意が必要です。
しかし、しっかり話を聞き、相談に気軽にのってくれる上司は、
ストレスの原因どころ か逆に職場ストレスへ緩衝剤なり得ます。
クラッシャー上司と健康に良い上司
■クラッシャー上司と健康に良い上司
ストレス調査で「上司との人間関係が最大のストレス」だという話がよく出て きます。
部下を潰す「クラッシャー上司」が存在します。
品格や人格ではなく業績中心の評価で管理職になった方が多く、管理職としての適性ではなく、
個人成績で評価され、論功行賞的に昇進し部下を与えられた方です。
また、個人成績は平凡なのに、派閥勢力ために、上司受けのいい人が
実力や部下の評価とは無関係に昇格することもあります。
このような上司は、権力への強い欲望を持ち、部下を踏み台にして上昇しようとします。
減点になるようなことを怖れ、ミスが起これば部下を罵倒するばかりなので、正常なコミュニケーションがとれません。
従業員がうつになりやすい会社の経営者や、部下をうつにしてしまう上司には、共通する特徴があります。
① 相手の話を聴かない
部下の話を最後まで聴かずに指示を出したり、判断を下したりする。
あるいは、相手の話のさえぎり「わかった、それはだな」と
途中から自分の自慢話や経験談に変えてしまうようなタイプ。
② 共感力がない
自分の見方や価値観が絶対で、それに合わない意見は聞く耳をもたない。
若手社員に対し、ニ言目には「お前たちのいっていることはわからん」
「黙って俺のいうことを聞け」というタイプ。
③ 一緒に困ってしまう
「そうか、困ったな、どうしよう」が口癖のような人がそう。
これは共感ではなく、ただ単に当事者意識が薄いのだ。
④ 一緒に酒を飲むだけ
「今夜はとことん話を聞いてやる」などといい、本当に聞くだけで何も解決策を示さず、
最後は「お前の気持ちはわかった、とにかくがんばろう」で終わるタイプ。
途中から自分 の愚痴になる人も多い。
この場合、聴いてもらう方が、話しながら自分で解決法を気がつけばいいのですが、
そうでない場合、ただの空回りになります。
⑤ ナルシスト
二代目、三代目のエリート経営者や、若手の抜擢組に多い。
仕事の能力が高い人も多いが、常に関心が自分に向いている。
戦略などの議論は好きだが、従業員や現場、現実の悩みには無頓着でアドバィスもできない。
心の健康に良い理想的な上司像は
①笑顔 ②情 ③実力があるです。
人間の対面コミュニケーションでは、 顔の表情が75%。
やはり笑顔です。
そして「情」です。
それでは、部下とうまく話せるかのテストをしてみましょう。
伝える力チエックテスト
ない 時々 いつも
1. |
私は冷静で、相手の心を傷つけず自分のことを相手に伝えることができる |
1 |
2 |
3 |
2. |
ファミリ一レストランでサービスが悪ければ、良くするよう丁寧に伝えることができる |
1 |
2 |
3 |
3. |
自分が話をしている時、 他の誰かが話し始めたらそれをやめるように言う。ただし 相手の話も最後まで聴く。 |
1 |
2 |
3 |
4. |
職場で不公平なことがある場合、是正するよう求める |
1 |
2 |
3 |
5. |
私は感情に流されるることなく自分の意見を 客観的に捉えられる |
1 |
2 |
3 |
6. |
本心で納得できず、嫌でも、我慢して引き受けることがある |
3 |
2 |
1 |
7. |
意見の対立する人と同席するときその場 を避ける |
3 |
2 |
1 |
8. |
私は必要なな時は他の意見を聞き、必要に 応じて人の助けを求める |
1 |
2 |
3 |
9. |
私はその場の集団の雰囲気に流され自分の意見を変えることがいつもある |
3 |
2 |
1 |
10. |
私は自分の意見を忙しくてもわかってもらえるように、丁寧に話すようにしている |
1 |
2 |
3 |
11. |
部下の聒を睫かないで結論を押しつけることがよくある |
3 |
2 |
1 |
12. |
部下の話を聞かず解決策やアドバイスを進める傾向がある |
3 |
2 |
1 |
20点未満 ―問題です。改善に努力しましょう
20 ~ 24点 一大いに改善の余地あり
25 ~ 30点 一もう少し努力してください
31~ 35点 一良好ですが、なお努力を
36点 一非常に良好です。雄統してください
サインがなくても声をかける
■サインがなくても声をかける
メンタルヘルスのサインは、本人も含めて気づきにくいです。
メンタルヘルスの基本 は、サインが出ていなくても、声をかけることです。
上司として求められることは、日常的に声をかけてコミュニケーションをとることです。
メンタル不調になるほど、自発的相談が減ります。だからこそ大事なのです。
サインがなくてもで声をかけるタイミング
① 長時間労働にある部下(労働安全衛生法第66条の8. 9)
② 出向、応援、人事異動、海外派遺後の3ヶ月以内
(適応するのにストレスがかかり ます)
③ 人事考課後
成果に対する評価にギャップが生じている。
良いギャップは、さらに 期待に応えようと自分を追いつめることがあります。
④ 新入社員、中途入社社員
⑤ その他、特に配慮を要する部下として職場復帰の部下
質問内容は
「環境」
「やり方」
「プライべート」です。
通常、個人ではコントロールできない環境の問題があります。
したがって、まずは「職場環境に問題はないか」と
訊くことに よって苦労している部下の状態がわかります。
次に、上司の仕事のやらせ方が、業務効率に占める割合が高いのです。
そこで、次に「やり方•やらせ方を聴く」ことにより改善点が見つかります。
次は、「プラィべートな問題で困っていないか」と訊きます。
核家族の今日、どこの家 庭でも、個人的な問題を抱えています。
特に、親の介護問題や、共稼ぎの中での子育て等 の問題を抱えています。
介護や育児でクタクタになっている人は多いのです。
その他にも、 法律、経済、家族友人関係のストレスの可能性もあります。
この3つについて聴いて問題がないとすれば、生産性低下の原因は「健康上の問題」となります。
このように、問いかけていく時は、環境、やり方、プライべートの順序で声をかけます。
ここでは、部下の状態を理解してあげることが重要です。
いきなり「体調は?」と個人の 問題について声をかけられるよりも、
環境、やり方、プライべートの順で声をかけられた 部下は、上司が自分のことをいきなり個人の問題とせずに理解し、
安全配慮をしていると 感じられるので、勇気づけられます。
多くの会社がメンタルヘルス対策で、医師や臨床心理士を採用し配置しています。
しか し疾病性といったネガティブな面の対応だけでは十分ではありません。
まず、環境について問いかけ、改善に結びつけば、生産性が向上します。
やり方につい て問いかけ、リーダーシップが改善されれば人間関係が向上し、モラールアップにつなが ります。
ここが疾病モデルから発生したメンタルへルスでは欠如していたのです。
そして プライべートについて声をかければ、健康問題を医療に結びつけられ、個人の幸福につな がります。
全体的に活力ある、健康的な職場づくりにつながります。
人間と組織が持っているポジティブな面をさらに強化する組織的メンタルへルス対策は経営のプロの仕事です。
医師や臨床心理士は病気の専門家であって、経営のプロではないのです。
つまり適応モデルでは、職場のメンタルヘルスの名医はマネジメントをする管理職です。
●環境トーク例
管理者: 「◯◯さん、今日はとても暑いですね。ところでいつも仕事で頑張つてくれているんだけど、
何か仕事の環境で困つていることはありませんか?」
◯◯さん:「そうですね、全体的にうまくいつていますが、新人の田代さんのスキルがもう少し上がつてくれると、
アウトプットが向上すると思うのです」
管理者: 「その点、少し改善してみましよう」
斉藤さん:「ぜひ、お願いします」
●やり方トーク例
管理者: 「◯◯さん、仕事のやり方で困つていることはありませんか?」
◯◯さん:「そうですね。前工程に準備をしつかりやつてくれると成果が出ると思い ますが」
管理者: 「皆とどうするかを相談してみましょうね、ありがとう」
◯◯さん:「はい。よろしくお願いします」
●プライベートトーク例
管理者: 「◯◯さん、何か仕事の環境で困っていることはありませんか?」
◯◯さん:「別にないです」
管理者: 「では、仕事のやり方で困つていることはありませんか?」
◯◯さん:「忙しいのは、皆も同じだから、別に今の状態で困っていることはありません」
管理者: 「ありがとう。最近、いつもの◯◯さんと違って欠勤や遅刻も見られ、アウトプットも
少し下がっています。何か仕事の環境ややり方で困っている のかなと思って聴いいてみたのですが、、、、」
◯◯さん:「、、、、」
管理者: 「◯◯さん、何か仕事以外のプラィベートなことで困つていることはあり ませんか。
プラィべートなことは個人情報ですから、無理にお話ししなくてもいいです。
どこの家庭でも、親の介護や育児で夜も眠れないこともあ ります。
もし、そんなことで負担になつていたら、私ではなく、会社の電話相談を利用してみたらどうでしようか?」
◯◯さん:「実は、家庭内のいざこざがあつて困つていたんです」
管理者: 「私が、会社の上司としてできることがあったら支援しますので、話して もらつても結構です。
法律的なことでしたら会社で契約している弁護士を 紹介します」
◯◯さん:「そうですね……。相談に乗っていただき、ありがとうございます。考え てみます。ひとりで悩んでいたので助かりました」
人事異動後シンドローム
■人事異動後シンドローム
先の記載した
② 出向、転籍、人事異動、海外派遺後の3ヶ月以内
③ 人事考課後
の場合の対応に関して紹介します。
♦︎異動があった時に聴く
出向や派遣、転籍、海外赴任、人事異動の際には気をつけることが必要です。
1ヶ月から3ヶ月目に多く、6ヶ月目くらいまで続きます。
ここをメンタル不全発生の注意期間です。
転勤部署に知人がいない場合は、受け入れ先の上司が話し相手になるなどが必要 です。
異動後にメンタル不全になった人のうち、60%くらいの人々が3ヶ月以内に
メンタル不全を発症しています。まさしくハイリスク期間です。
1ヶ月目:
「どうですか。職場環境ややり方については問題なくできていますか」。
適応に全力で向かつている時です。
やり方やルールが変わり、 新しい仕事と人間関係に戸惑ってます。
2ヶ月目:
「順調に仕事を覚えられていますか」
仕事を覚えるために非常に努力する時期です。
3ヶ月目:
「マスターできましたか」と言つて話を聴いていきましよう。
仕事を覚える、 あるいは仕事を覚えきれない人の分かれ道です。
6ヶ月目:
「心置きなく話せる人はできましたか」
「うまくここの文化に溶け込んでやっていけそうですか」
と言つて話を聴きます。多くの人は適応しますが、
出向など でまつたく文化の違う会社に入ると、
肌に合わない人が出てきて不適応になってしまいます。
これらを訊き話を聴くことで、部下がこのシンドロームを克服できなかったのはなぜ なのかを理解します。
仕事の仕方が合わなかつたのか、仕事が、部下 にとつて興味がないことだつたのか。それとも人間関係か。
連日の歓送迎会などもエネルギーの喪失になります。これらを昼休みに行うなど の工夫も良い結果を生みます。
今やっていることが面白いか、話を聴く
課長:「どうですか、今やっている仕事は面白いですか?」
部下:「はい、大変面白いです。覚えることが多くて大変ですが……」
課長:「そうですか。何かわからないことがあったら何でも訊いてください」
部下のやりたいこと、 部下の想いと会社の想いが一致しているのか一致していないのかについて
話を聴いておくことは重要です。ここが一致していると、辛い仕事にも耐ぇられる希望が湧いてきます。
そこで、楽しく仕事ができているか、仕事の完成度はどうか、やりがいはあるか、などに ついて話を聴いていきます。
目標については、今と将来のものについて聴いてみるといいでしょう。
付与される仕事 が、部下にとって好きか、それとも合わないと感じているのか。また、部下の能力は十分か、なども確認します。
♦︎人事考課後に聴く
昇格したのに元気がない時
「おめでとう。何か昇進してから少しいつもらしくないですが……。心配ごとでもあるのですか?」
と言って聴きます。代表的な「昇進うつ病」の傾向がないか注意します。
昇格したくないのに昇格した時
例えば、「先日テレビを見ていたら、今の若い人の中には昇進を望まず、マイペースで仕事をしたい
という人が多くなつているとありました。逆に出世を追い求 めるのが生きがいという人もいます。
人それぞれですね。ところで、率直に今回の昇進をどのように思っていますか」と言つて話を聴きます。
聴くシチユエーション
昇格後なるべく早く、2人でゆっくりと話ができる時間と 場所を用意して話を聴きます。
聴く際の留意事項
新しい変化には、必ず「希望」と「不安」がセットになって出てきます。
メンタルヘルスで「昇進うつ病」が懸念されるような場合は、
「不安」のみ が大きく心を占拠します。ここに注意して話を聴きます。
期待していたのに昇格できなかった時
「最近はどうですか。私も人事の昇格で自分の期待どおりいかずくやんだり、
人事を恨んだりしたことがぁりました。人事発表を見たけど、どうですか。
期待していたのにがっかりしていませんか。これにめげずにさらに精進しましょう」と言って話を聴きます。
「昇進停滞症候群」は、どの職場でも発生する問題です。
「ふてくされて攻撃的になっていないか」「仕事が投 げやりになっていないか」について話を聴きます。
聴くシチユエーション
人事の発表後少し経ってから、2人でゆっくり話ができる時 間と場所を用意して話を聴きます。
聴く際の留意事項
努力し昇進を期待している部下ほど、結果的に昇進で きない時は落胆が大きくなります。
理性では受け入れているものの、感情的にはなかなか納得がいかないという心境です。
このギャップに気づかせるように話を聴 くことです。
基本的に、自己評価と客観評価にズレがあると、いつまでも不平不満は 解消されません。
このズレを埋めるように話をします。
降格した時
降格には2つのパターンがあります。懲戒の場合と、もう1つは職責への適合性を考え て人事裁量としてなされる降格です。
その点を勘案して「今度はまたあらたなポジション で努力しましよう」と伝えましよう。
懲戒の場合の訊き方
上司:「あなたにとつては不本意と思いますが、会社の懲罰規定で降格になりました」
部下:「はい、反省しきりです」
上司:「解雇の一歩手前で済んだことは幸いでしたね」
部下:「はい、私もそう思います」
上司:「今後の改善のチャンスと考えたいですよね」
部下:「はい、ありがとぅございました」
適合性を考慮した人事裁量による降格の場合の訊き方
上司:「あなたにとつては不本意と思いますが、降格になりました……」
部下:「一生懸命仕事をしたのに、病気で休んだからですか?」
上司:「会社の昇格規定のルールどおりです。欠勤日数などを含めた総合判断です」
部下:「そうなんですか」
上司:「病気からも回復され、通常勤務ができていますから、まずは負荷の少ない仕 事から始めましよう」
部下:「はい、ありがとうございます。次年度に向けてまた努力します」
復職後1年で期待した昇格がなかつた時
うつ病などで復職後、1年くらいで人事考課が行われることがあります。
この時、部下 は休職を挽回しようとして、本人なりに努力してきます。
多くは、それに対して、期待し た昇格がなく、ガッカリしてしまうことが少なくありません。
昇格させなかったという判断が、人事制度にそつて適切になされていることを、データを用いて説明することが必要です。
抜てき人事があつた時
優秀者は中堅になると周囲の期待も大きく、管理部門、企画部門などへの 抜てきが行われることがあります。
しかし、抜てきが、筆記試験の優秀者、現業での成績優秀者から行われるヶースでは、
抜てき後、付与される業務は、多くはそれまでの経験と人間関係が活かされません。
まして、本書で主張してきた、本人のやりたいこととの一体感 がないと、急速に動機づけが低下することになります。
例えば「おめでとぅ。技術畑で採用され、努力してきた君が、
今度は新しいポジションで仕事をすることになりましたね。君の気持ちはどうですか?」
と訊いてみます。
ハンス.セリエ博士は、過去 に経験したことではなく、
新しい予測できない変化に遭遇した時のストレスを「フユーチャーショック」と呼んでいます。
変化によつて生じる不安等を緩和し、フユーチャーショックによるトラウマ(心的外傷)を防止することが重要です。
その方法が「シフトラーニング」です。
①あらかじめ変化に よつて生じる事態を予測すること、
②それによつて危機に陥らないための方法を学ぶこと が必要です。
部下からの「ホウレンソウ」に対して
■部下からの「ホウレンソウ」に対して
部下の「ホウレンソウ」に対し、いままでの自己流のやり方で「聞く」態度だけではダメです。
同じキクという漢字に「訊く」がありますが、これは尋問風になりよくありません。
「キキ力夕」として大切なのは、腹に落として、共感して部下の話を「聴く」ことです。
そして
「どんなに悪い内容の報連相であっても、伝えてく れたことにまず感謝する」
ことを述べ、どんな厳しいことを言い渡さなければいけない時でも
「 否定的な表現はなるべく避け、を極力前向きな表現にして伝える」
ことが大きなポイントであり、その言語の創造力の差が、管理職の実力の差になるといっても良いのです。
部下から「よく聞いてもらえている」 と評価される聞き方があります。
・部下の目を見て聞く
忙しい上司は、つい自分の作業をし「ながら聞く」ことをしがちです。
その上司の様子を見ると、部下は「関心をもってもらえない」
「ちゃんと 聞いてもらえていない」と感じてしまいます。
・相手のベースに合わせて、あいづちをうちながらきく
相手の話を聞きながら、まずうなずくタイミングを合わせてみましょう。
あなたのペースで話して大丈夫、という安心感を相手に与えることが大切です。
「なるほど」などのあいづちも入れてみましよう。
・相手の話を途中でさえぎらない
何を言いたいのかわかりにくい報告の仕方をされるとつい「どういう ことか」
と途中で口を挟みたくなりがちですが、グツと我慢。
「核心から 話す」「要約して話す」など、話し方の指摘や指導は
聞き終わった後に しましょう。
「話を聞いてもらえる」という信頼感が、部下を素直にさせます。
そのあ とのほうが、指摘や指導も効果が高まります。
以上、ラインケアで、上司が部下に「対応する際の、話の聴き方と、話し方」でした。
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参考
「メンタルタフネス経営」
「メンタルヘルスマネジメント入門」
「IT技術者が病まない会社を作る」
「メンタルヘルス実践ガイド」