目次
脳科学の観点
■脳科学の観点
他ブログで、幸福な社員が仕事ができる、3つの心理的理由を説明しました。
今回は「脳科学」の観点から、同じ説明をいたします。
人間が幸福を感じているとき、三つの脳内物質が分泌されるのがわかってます。
セロトニン、オキシトシン、ドーパミンです。
ホルモンだったり、神経伝達物質だったりですが、これらが分泌されると、人は、仕事の成果に結びつくような行動を取るのです。
神経伝達物質の詳しい資料は、本編の最後に添付しておきます。
本説明は、資料を参照しながら呼んでいただきたいのですが、資料を見なくても、
本説明を読むだけで、幸福脳内物質がいかに良い仕事がで見る行動に結びつくか、ご理解いただけるかと思います。
幸福をつかさどる脳内物質が、どうして仕事に貢献する作用を及ぼすのかといった
化学的根拠を知りたい場合は、巻末資料をお読みください。
では、各物質のそのポジテイブな作用だけピックアップしてみましょう。
セロトニン
セロトニン
① 怒りを抑えられる
② 快楽依存を抑えられる
③ ボジティブな気持ちでいる
④ ストレスが減る
⑤ 朝の目覚めが良い
⑥ 背筋が伸び若々しい
⑦ 痛みがコントロールできる
以上、7つの効果は、幸せを感じて脳がセロトニンに満たされた時の状態です。
不幸な人は、この真逆としたらこうなります。
① 怒りを抑えられない
② 快楽に依存する
③ ネガティブな気持ちでいる
④ ストレスだらけ
⑤ 朝の目覚めが悪い
⑥ 猫背で老けていて表情が暗い
⑦ あちこち痛みを抱えている
さあ、どちらがの状態の方が、仕事ができると思いますか?
大事なセロトニンが不足する原因は
・ストレス
・日光の欠乏
・運動不足
・スキンシップの欠乏
こういうことになってしまう生活の典型は、便利極まりない、スマホ生活です。
太陽の下で運動、そして人間同士の触れ合い。
一見何気ない、ささやかな幸福感のイメージの生活が、良い仕事を促す刺激をもたらしていたのです。
セロトニンの増やし方も資料にあります。
① 大豆食品や乳製品を食べる
② 腸内環境を整える
③ 太陽の中を歩く
④ ガムを噛む
⑤ グルーミング
食生活、行動、習慣など、全て特別なことではありません。
仕事に追われ、ストレスに追い込まれると、不足してしまうことばかりかもしれません。
オキシトシン
オキシトシン
その効果として
・社交性を高める
・不安や恐怖心を和らげる
・ストレス軽減
などがあります。
セロトニンほどの多くはないですが、十分、仕事に役立つ作用ばかりです。
オキシトシンの増やし方は、セロトニンと共通してますね。
スキンシップと、人にやさしくするということです。
ドーパミン
ドーパミン
ドーパミンは生活に必要なやる気を促します。
学習能力や仕事能率のアップさせ、
達成感、快感、喜び、感動などをもたらします。
快感物質ですから、人はその快感を得るため、同じ行動、
すなわち良い仕事を繰り返す、正の循環になるのです。
ドーパミンを増やすには
(1) チーズや大豆食品を食べる
(2) 小さな目標やタスクを達成する
ということでした。
会社の福利厚生で、セロトニン活性の取り組みをする会社が増えてます。
もともと人間は太陽が出ると自然に起きて、食料を探すために自然の中を歩いて、身体を動かして、人と触れ合って生きてきました。
業務時間外であっても、これからの企業は、従業員に対して「Well Being経営」の観点の延長、
また従業員幸福度、「EH」向上推進のため、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという、
セルフの素晴らしい薬を出せるような生活スタイルを、ぜひ推奨する活動をするべきではないでしょうか。
幸福な社員が仕事ができる理由を、脳科学の観点から説明させていただきました。
【資料 幸せ脳内物質について】
資料 幸せ脳内物質について
幸せ脳内物質3種
セロトニン
オキシトシン
ドーパミン
【セロトニン】
【セロトニン】
セロトニンは、元気を心と身体に与えてくれる、体内で作られる万能薬のようなものです。
不足するとさまざまな不調が現れて、心のバランスを保つことが難しくなります。
適切な量が出ていると、頭が覚醒して、心のバランスが取れ、自然に物事への意欲が出てきます。
本来は誰もが、起きている間はずっと一定量を分泌しているもので加齢により減りますが、普段の生活パターンが重要になります。
セロトニンの作用
セロトニンの作用
① 怒りを抑える
ノルアドレナリンの暴走を抑えて、怒りを抑えます。
ノルアドレナリン 怒りや逃避の気持ちを促進させる
② 快楽依存を抑える
ドーパミンの暴走を抑えて、快楽依存を抑えます。
ドーパミン 快感物質で、アルコール・麻薬の多くは
ドーパミンを活発にする。
③ ボジティブな気持ちにする
意欲や心のバランスに関わる領域である、大脳辺縁系に
セロトニンが分泌されると、ポジティブな気持ちがわき起こり、
逆に分泌されない場合はネガティブな感情になります。
④ ストレスが減る
セロトニンは以下2種類の自律神経を整えます。
交感神経:活発な時間帯に優位になる
副交感神経:寝ているときなどリラックスしている時間帯に優位になる
セロトニンが分泌されていると、二つの自律神経のバランスが整い、精神が安定します。
気分の浮き沈みが少なくなることにより、ストレスやイライラが軽減されます。
血色がよくなって、不定愁訴(原因のわからない体調不良全般)もなくなります。
⑤ 朝の目覚めが良くなる
夜寝ているときは副交感神経が優位です。
朝目覚めてセロトニンが分泌されると、交感神経が優位に切り替わって、血圧や代謝が上がるなど、身体が活動に適した状態になります。
しかしセロトニンが分泌されなければ、身体がいつまでも眠くだるい状態です。
⑥ 背筋が伸び若々しくなる
起床すると、セロトニンの姿勢筋、抗重力筋
(重力に対して姿勢を保つために働く、まぶたや首や背中などの筋肉)
への働きかけが行われます。
背筋が伸び、目がパッチリして、顔が引き締まり、若々しくなります。
不足すると、背中が丸まったり、どんよりした暗い表情になってしまいます。
⑦ 痛みのコントロール
セロトニンには痛みの感覚を抑制する働きがあるので、欠乏すると些細なことで痛みを感じやすくなります。
セロトニンが不足すると
セロトニンが不足すると
・慢性的なストレス過多になり、うつ病を引き起こす可能性があります。
・不眠になり、寝起きが悪くなったり、昼間も眠いままだったりします。
・些細なことで痛みを感じやすくなります。
・背中が丸まったり、どんよりとした暗い表情になってしまいます。
3 セロトニンが不足する原因
・ストレス
ストレスを感じると、どんな人でもセロトニンの分泌は悪くなります。
ただ、ストレス自体は取り除くことは難しいので、普段からセロトニンがしっかり出る生活をすることが大切です。
・日光の欠乏
・運動不足
・スキンシップの欠乏
生活の一番の原因は、パソコンとスマホ。
起きると、カーテンを開けずに真っ先にスマホを見て、通勤中もスマホ。
会社ではパソコンの前に座って身体を動かさない。
ランチタイムもスマホを見ながら一人で食べて、家に帰ってもスマホ。
こういう生活を長い間続けていると「セロトニン欠乏脳」になるのは当然です。
セロトニンの増やし方
4 セロトニンの増やし方
① 大豆食品や乳製品を食べる
セロトニンの原料のトリプトファンが豊富に含まれてます。
トリプトファンが多い食材
トリプトファンが多く含まれている食材は主に、豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、
チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。
その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。
また、肉や魚にもトリプトファンが多く含まれますが、動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸は
トリプトファンを脳へ取り込みにくくするため、植物性たんぱく質から摂ることをおすすめします。
ただし、動物性たんぱく質も「炭水化物(穀類、いも類、果物など)」と「ビタミンB6*」を一緒に摂ると、
血糖が上昇してBCAAが筋肉に作用するため、脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。
つまり、バランスよく主食・主菜・副菜を揃えて食事をすることで、必要とされるトリプトファンは摂取できます。
*ビタミンB6・・・鮭、さば、さんまなどの魚類、鶏胸肉やささみなどの脂身の少ない肉類、酒粕や抹茶、ごまなどに豊富に含まれています。
トリプトファンはどのくらい摂ればいいか
摂取量の目安は、体重1kgあたり2mg程度。体重が60kgの方の場合は120mgとなります。
食品中のトリプトファン含有量(可食部100gあたり)→ 別図
食品中のトリプトファン含有量(可食部100gあたり) |
|
白米 |
82mg |
玄米 |
94mg |
パスタ(乾麺) |
140mg |
そば(乾麺) |
170mg |
鮭 |
250mg |
カツオ |
310mg |
マグロ赤身 |
270mg |
豚ロース |
280mg |
鶏むね肉 |
270mg |
木綿豆腐 |
98mg |
豆乳 |
53mg |
上記以外でも、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品にも含まれています。
② 腸内環境を整える
「第二の脳」とも呼ばれている腸の働きによって生成されている幸せホルモンが「セロトニン」です。
セロトニンのおよそ90%は腸内で生成されています。
食物を、セロトニンのもとになる物質に変化させるのが腸の役割です。
それは血液を通って脳に取り込まれます。
腸内環境が良くないと、トリプトファンをうまく変換できず、セロトニンが生成されにくくなってしまいます。
そのため、腸内環境を整えることが大切です。
・発酵食品や食物繊維を摂取
・腹筋運動
・腸マッサージ
③ 太陽の中を歩く
日光を浴びながらの適度な運動は、セロトニンが分泌されます。
よく眠るための睡眠ホルモンである「メラトニン」は、セロトニンと繋がっています。
人間の身体は、日中に体にストックしたセロトニンを材料に、夜暗くなると「メラトニン」を作るので、
昼間にセロトニンが出る生活をしていないと、夜に熟睡できないのです。
熟睡したかったら、ウォーキングなどのリズム運動をすると、セロトニンが出て、そのまま睡眠薬となります。
太陽のない、暗くなってからでもやる価値があります。
④ ガムを噛む
嚼むことで、脳の中のセロトニンが活発になり、緊張やネガティブな気分が改善します。
⑤ グルーミング
動物の毛づくろいの意味のですが、ここではスキンシップを指します。
グルーミングは動物のストレス解消行動と言われていて、「オキシトシン」という
ストレスを癒す物質が分泌されていることがわかっています。そしてこのオキシトシンが、
セロトニン分泌を誘発します。なので、ペットを可愛がったり、子供や恋人と触れ合ったりといった
スキンシップはもちろん、仲のいい友人とゆっくりおしゃべりをするとか、
家族団らんを楽しむといった心の触れ合いも、セロトニン活性に効果的です。
日常、会社の仲間やお客さんと、笑顔で元気にお話しし、相手が喜んでくれて、
自分も喜びを感じられるのであれば、グルーミング行為の一種になります。
人間は誰かを喜ばせたり、誰かの役に立つことで自身も幸福感を得られます。ボランティアなどの社会奉仕活動もおすすめです。
注意したいのは、寝る前にスマホなどをいじらないことです。
ブルーライトの刺激を網膜に受けると、脳は朝が来たと判断して「メラトニン」の分泌を抑制します。
朝早く起きて、意識的なリズム運動をし、寝る2時間前にはパソコンもスマホもやめる。
そうすることで自然にセロトニンが活性化されて、メラトニンも増え、結果、朝スッキリと起きられるようになります。
会社の福利厚生で、セロトニン活性の取り組みをする会社が増えてます。
もともと人間は太陽が出ると自然に起きて、食料を探すために自然の中を歩いて、
身体を動かして、人と触れ合って生きてきました。
業務時間外であっても、これからの企業は「EH」推進のため、
セロトニンというセルフの素晴らしい薬を出せるような生活スタイルを推奨する活動をするべきでしょう。
【オキシトシン】
【オキシトシン】
・幸福感を与える
・社交性を高める
・不安や恐怖心を和らげる
ストレス軽減や免疫力アップが期待できるといわれています。
オキシトシンは、母乳分泌の促進など「出産・育児の際に分泌されるホルモン」です。
赤ちゃんが乳首をくわえると、母親の体内のオキシトシンが増え、母乳の分泌が促されます。
そのためオキシトシンは、母子間の触れ合いで生まれるホルモンと認識されていました。
研究を進むと、母子間以外でのスキンシップによっても、オキシトシン分泌されることがわかってきました。
そのため、オキシトシンは恋愛ホルモン、抱擁ホルモン、思いやりホルモンなどさまざまな言われ方をしています。
オキシトシンの増やし方
オキシトシンの増やし方
(1)スキンシップ
オキシトシンは、スキンシップで分泌が促されます。
配偶者や恋人、好意を持った人とのスキンシップ、家族とのだんらんや、心を許せる友人との食事や会話、
ペットとの触れ合いなどでも、オキシトシンを分泌させることができます。
(2)人にやさしくする
オキシトシンは「思いやりホルモン」と呼ばれます。
相手を思って何かを与えたり、助けたりすることで分泌されるからです。
2017年にイギリスの研究チームによるチンパンジーについての研究論文が発表されました。
基本的に食べ物を分け合う習慣のないチンパンジーですが、まれに分け与えることがあります。
食べ物を分け与えた直後のチンパンジーの体内では、オキシトシン量が増加していたことがわかりました。
この結果は人間にも当てはまり、人に親切にしたり、助け合ったりすると体内のオキシトシン量は増加します。
スキンシップであるマッサージには、思いやりによる効果も期待できます。
マッサージは受けている人よりも、施術している人の方が、多くのオキシトシンが分泌されます。
これは「相手を癒やしたい」という思いやりの心を持ってスキンシップをするので、
よりオキシトシンが増加するためと考えられています。
幸福感が足りないと感じたら、人にやさしくすることで良い効果が期待できます。
【ドーパミン】
【ドーパミン】
生活の中で、目的達成や危険回避のために「やる気」を出さなくてはいけません。
ドーパミンは生活に必要なやる気を促し、幸福感をアップさせるホルモンです。
また、仕事や学習などに必要な情報を、一時的に記憶・処理する能力である「ワーキングメモリー」にもドーパミンは影響があります。
ドーパミン分泌が活性化されると、学習能力や仕事能率のアップも期待できるのです。
ほかにも、達成感、快感、喜び、感動などをもたらします。
そのため、ドーパミンが不足すると「やる気が起きない」「記憶力や作業能率の低下」
「無関心・無感動」などが起き、幸福感の低下につながります。
ドーパミンの増やし方
ドーパミンの増やし方
(1) チーズや大豆食品を食べる
ドーパミンの原料となるのは「チロシン」というアミノ酸で、最も多く含んでいる食品は乳製品です。
乳製品に含まれている「カゼイン」と呼ばれるたんぱく質からチロシンは多く摂取できます。
乳製品の中でもチーズは特におすすめです。
チーズは乳製品を濃縮したものといえ、効率よくカゼインを摂取できる食品といえます。
そのほかの食材として、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、おから、きな粉など、大豆食品にも多く含まれます。
ドーパミンを増やすために、チーズなどの乳製品と大豆食品を積極的に食べることをお薦めします。
(2) 小さな目標やタスクを達成する
ドーパミンは何かを達成していくことで活性化されます。
仕事やプライベートで、目標を達成していくことで、ドーパミンが分泌されます。
ポイントは「達成しやすい小さな目標を設定する」ことです。
達成しやすい小さな目標を設定することでドーパミンを継続的に分泌できます。
大きな目標を設定する場合は、細分化して小まめに達成感を得ていきます。
「この目標を達成したら旅行に行こう」など、ご褒美を設定することで、ドーパミンの活性化につながります。
これら三つの幸せホルモンは、日常の心がけで増やすことができます。
・ストレスでイライラしがち
・楽しいことがない
・やる気が起きない
もし、このような気持ちに悩んでいるのなら、幸せホルモンが不足している可能性があります。
不足している状態が続くと、うつ病などの精神疾患になりかねません。そうなる前に、
「幸せホルモンの増やし方」を日常生活にとり入れてみてはいかがでしょうか。
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